三菱電機、電力会社の送変電系統向けに550kVのばね操作ガス絶縁遮断器
2010 年 3 月 10 日国内最大容量550kVのばね操作ガス絶縁遮断器を開発
三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、電力会社の送変電系統に用いられるガス絶縁遮断器(GCB:Gas Circuit Breaker)において、遮断容量がばね操作方式で国内最大となる550kV のGCBを開発しました。
本開発成果を、3月17日から19日に開催される電気学会全国大会で発表します。
【開発の背景】
発電所から電気を送る送電線では、落雷などで異常電流が発生した際に瞬時に電流を遮断し、被害の範囲を最小限にする必要があります。このため、発電所や変 電所には、数百kV、5~6万アンペアという大きな電流を遮断できる遮断器が設置されており、このうち内部の絶縁とアークの消去に不活性ガスを用いるもの を「ガス絶縁遮断器」(GCB)と呼んでいます。
GCBでは電流を遮断する機構に大きな力を必要とするため、これまで油圧で操作する方式が主流 でしたが、近年は、駆動力の保持に電力を必要とせず、部品数も少なくて保守性が良い、ばね操作方式が主流となりつつあります。現在、国内のGCBは、 72kVから550kVのものが使われており、順次ばね操作GCBに更新されています。しかし、遮断容量が大きくなると大型化する機構に応じて大きな駆動 力を必要とするため、ばねでは駆動力が足りず、高速動作に限界があるため300kVの製品までしか実用化されていませんでした。
当社は今回、国内で初めて550kV(63kA)のばね操作GCBを開発し、国内で使われるGCBすべてをばね操作GCBでのシリーズ化できる見込みとなりました。
【主な開発成果】
1. 遮断部の軽量化とばねの駆動力向上で高速動作が可能に
電流を遮断する際に発生するアークを消すときの冷却効率を高めるとともに、遮断部の軽量化を行い、遮断操作に必要な力を従来比で40%低減(※1)しました。
金属棒をねじったときの反発力を利用する、エネルギー効率の高いトーションバーを採用し、駆動力を従来比30%(※2)高めました。
これにより、550kVという高圧電流を、わずか0.03~0.04秒で高速遮断します。
また、各部の軽量化により機器の総質量を従来の約70%に低減し、動作に伴う振動や操作音も大幅に軽減しました。
※1: 当社製550kV油圧操作GCBとの比較において
※2: 当社製300kVばね操作GCBとの比較において
2. 部分放電診断手法とポリマー形避雷器も開発
GCBなど、ガス絶縁機器の内部絶縁性能の劣化によって発生する微小放電を感知することにより、現地で放電源まで識別して劣化状況を診断できる部分放電診断手法を開発しました。
また、落雷による変電設備の絶縁破壊を防ぐ避雷器として、これまでの磁器がい管を使用した避雷器に比べ、小型軽量で耐震性能に優れたポリマー形避雷器を開発しました。
【今後の展開】
海外電力向けとして製品化を進め、本年秋から海外市場への投入を開始します。また、国内電力向けには、国内の製品規格に適合する検証試験および実用性能の評価を進め、2012年の市場投入を目指して製品化する予定です。
3月17日~19日に開催される電気学会全国大会では,以下の項目を発表する予定です。
■550kV 63kA ばね操作GCBの開発
■362kV 63kA三相一括ばね操作GCBの開発
■GIS/GCB部分放電センサの最適設計手法の検討
■現地診断に向けた部分放電診断手法の開発
■ポリマー形避雷器の開発関連
【お客様からのお問い合わせ先】
三菱電機株式会社 系統変電システム製作所
系統変電技術部 TEL(03)3218-9853 FAX(03)3218-9272
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