EV用急速充電器って何?
仕事の幅を広げるコラム

2010年 2月28日掲載 / 電材市場 編集部

更なる温室効果ガス削減

2009年9月、鳩山首相が国連の気候変動首脳会合で、日本の温暖化ガス削減中期目標について「2020年までに1990年比で25%削減する」と明言したことで日本では更なる省エネへの動きが活発化してきています。

電気設備でも平成22年4月から実施される改正省エネ法に基づいたエネルギー管理設備の設置や、照明設備のLEDを主力とした省エネ対応製品への切り替えが進みつつあります。そして今まで電気業としてはあまり関連のなかった自動車でも電気業とは無関係ではなくなる様な大きな変革が起こりつつあります。それは、これから主流になると思われていたハイブリッド車から、さらに温室効果ガス削減効果の高い電気自動車へと流れが移りつつあるようにみえるからです。
それに伴いガソリンスタンドに変わる施設としてEV(電気自動車)用急速充電器施設が注目を集めるようになりました。

今回は電気自動車のインフラとしてのEV用急速充電器について基本的なシステム構成と各社の製品を紹介します。

電気自動車と急速充電器

現在、販売されている電気自動車はリチウムイオン電池などの電池とモーターを利用して走行します。 走行距離は各社まちまちですが一回の充電(100Vで約4~16時間)で160km程度の走行が可能となっています。

通常の充電は自宅駐車スペースや駐車場での100~200Vでの長時間の充電が想定されています。 しかし、それだけでは長距離移動時や充電器のない場所への移動が不可能となってしまいます。 そこでインフラとしてのEV用急速充電器の普及が急務となっています。

EV用急速充電器は三相入力交流、直流交換部、絶縁トランス、出力整流部等(一例)で構成されています。 EV用急速充電器(出力50KW 3相3線式200V)での1回の充電は約15~30分で80%程度の充電が可能となっています。充電用の電力は設置した施設のキュービクルから供給され、その200V電気配線工事は電気工事業者の仕事となります。
EV急速充電器設置例

EV急速充電器設置例
(埼玉県 越谷市 イオンレイクタウン内 イオン・東京電力共同設置)

EV用急速充電器、今後の展開

最近では時間貸駐車場、コンビニやスーパーなどをはじめ環境保護に積極的な企業でも電気自動車導入とともに設置が始まっています。急速充電器はガソリンスタンドに比べ設置に規制が少なく、駐車スペースと電力供給に余裕があればどこにでも設置が可能となっているようです。

国際公約として温室効果ガス削減を公言してしまった以上、これからも様々な環境保護政策が打ち出されてくると思われます。その中で電気自動車が主流となるかはいまだ不明の点が多いのですが、ガソリンの代替燃料としての水素エンジン自動車で使用される水素などと比べ電気の取り扱いは、安全ではるかに格安なのではないでしょうか。今後も電気自動車の普及と歩調をあわせ急速充電器や急速充電器を複数設置した充電器ステーションの普及が進んで行くのではないでしょうか。

急速充電器 設置工事の一例(基礎工事と据付工事・200V電気配線工事【株式会社ハセテック】)

→ http://www.hasetec.co.jp/batterycharger/arch/hasetec_construction.pdf

各社のEV用急速充電器・関連リンク


高岳製作所製品紹介ページリンク
特長
  • 高信頼の保護により、誰でも手軽に安全に急速充電が行えます。※80%充電状態まで15分(家庭用コンセントによる充電では約7時間)
  • 複数メーカーの電気自動車に対応できる充電方式です。
  • 前面扉の保守機能を備えているのでメンテナンスも容易です。
  • 小型・薄型設計により、広い設置スペースを必要としません。
  • 音が静かで、入力電流のひずみが少ない方式です。
スペック
入力 3相AC200V(50Hz/60Hz)
出力電圧 DC50V~500V
最大電流 125A
定格出力 50kW
効率 90%以上
特長
  • 大容量の半導体により10分から20分で約60kmの走行が可能です。急速充電器を使用することにより、コンセントによる長時間の充電時間から皆様を解放いたします。
  • コネクタロック方式で誰でも簡単に充電可能です。通信プロトコルにより車両側と通信を行い、安全確認されるまで充電開始いたしません。
  • 耐熱や耐水構造により屋外設置を可能にしています。遮蔽版を使用することにより周囲温度-10℃~+40℃の環境まで設置可能です。防水保護等級IP33に準拠しております。
  • 当社従来比30%の小型化をはかりました。設置スペースも場所を取りません。
スペック
■ 交流入力 入力
電流 150A(漏電ブレーカは200Aを使用して下さい)
定格容量 50kVA 相数 三相三線
電圧 AC200V±15%
定格周波数 50Hz/60Hz
定格力率 0.95以上

■ 直流出力
出力電圧 DC500V最大(絶縁試験時 約650V)
出力電流 DC125A
定格直流電力 50kW
特長
  1. 車両との通信により、安全な充電を可能。
  2. 30分程度で、電気自動車の電池容量の80%の充電が可能。
  3. コンパクトで、狭いスペースでも設置可能。
    (標準タイプ:750(D)×600(W)×1580(H))
  4. 今後発売される電気自動車に対応可能です。
スペック
入力電圧・電力 三相 200 V 60 kVA 以下
定格力率     0.95 以上
出力電圧     DC 50 ~ 500 V
出力電流     0 ~ 125 A
最大出力     50 kW
最大リップル   2 %以下
定格効率     90 %以上
外形寸法     750(D)×600(W)×1580(H)
質   量     300 kg 以下


関連リンク

一般法人 次世代自動車振興センター
  • 急速充電器設置についての補助金申請を受け付けている。
    平成22年度分の補助申請受付は平成22年4月1日以降にホームページにて公開されます。
東京都環境局 東京都EV・pHV普及促進プロジェクト (充電スタンドマップ) 神奈川県 EV充電ネットワーク(充電インフラ情報)
電材市場バナー 小 電材市場はリンクフリーです。
リンクの際は上のバナー
をご利用ください。

ホーム | 会社案内 | お問い合わせ | ショップの登録 | 広告について | サイトマップ


Copyright © 電材市場. All Rights Reserved.
無断での複製・転用はこれを禁止します。


無料アクセス解析