2009年9月、鳩山首相が国連の気候変動首脳会合で、日本の温暖化ガス削減中期目標について「2020年までに1990年比で25%削減する」と明言したことで日本では更なる省エネへの動きが活発化してきています。
電気設備でも平成22年4月から実施される改正省エネ法に基づいたエネルギー管理設備の設置や、照明設備のLEDを主力とした省エネ対応製品への切り替えが進みつつあります。そして今まで電気業としてはあまり関連のなかった自動車でも電気業とは無関係ではなくなる様な大きな変革が起こりつつあります。それは、これから主流になると思われていたハイブリッド車から、さらに温室効果ガス削減効果の高い電気自動車へと流れが移りつつあるようにみえるからです。
それに伴いガソリンスタンドに変わる施設としてEV(電気自動車)用急速充電器施設が注目を集めるようになりました。
今回は電気自動車のインフラとしてのEV用急速充電器について基本的なシステム構成と各社の製品を紹介します。
現在、販売されている電気自動車はリチウムイオン電池などの電池とモーターを利用して走行します。
走行距離は各社まちまちですが一回の充電(100Vで約4~16時間)で160km程度の走行が可能となっています。
通常の充電は自宅駐車スペースや駐車場での100~200Vでの長時間の充電が想定されています。 しかし、それだけでは長距離移動時や充電器のない場所への移動が不可能となってしまいます。 そこでインフラとしてのEV用急速充電器の普及が急務となっています。
EV用急速充電器は三相入力交流、直流交換部、絶縁トランス、出力整流部等(一例)で構成されています。
EV用急速充電器(出力50KW 3相3線式200V)での1回の充電は約15~30分で80%程度の充電が可能となっています。充電用の電力は設置した施設のキュービクルから供給され、その200V電気配線工事は電気工事業者の仕事となります。
EV急速充電器設置例
(埼玉県 越谷市 イオンレイクタウン内 イオン・東京電力共同設置)
最近では時間貸駐車場、コンビニやスーパーなどをはじめ環境保護に積極的な企業でも電気自動車導入とともに設置が始まっています。急速充電器はガソリンスタンドに比べ設置に規制が少なく、駐車スペースと電力供給に余裕があればどこにでも設置が可能となっているようです。
国際公約として温室効果ガス削減を公言してしまった以上、これからも様々な環境保護政策が打ち出されてくると思われます。その中で電気自動車が主流となるかはいまだ不明の点が多いのですが、ガソリンの代替燃料としての水素エンジン自動車で使用される水素などと比べ電気の取り扱いは、安全ではるかに格安なのではないでしょうか。今後も電気自動車の普及と歩調をあわせ急速充電器や急速充電器を複数設置した充電器ステーションの普及が進んで行くのではないでしょうか。
急速充電器 設置工事の一例(基礎工事と据付工事・200V電気配線工事【株式会社ハセテック】)
→ http://www.hasetec.co.jp/batterycharger/arch/hasetec_construction.pdf
高岳製作所(製品紹介ページリンク) |
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特長 |
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スペック |
入力 3相AC200V(50Hz/60Hz) |
特長 |
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スペック |
■ 交流入力 入力 |
特長 |
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スペック |
入力電圧・電力 三相 200 V 60 kVA 以下 |
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