特集 始動器の新時代をひらく
~コンパクトデジタル低圧始動器「miniCube」-株式会社 エヌ・エス・シー~

2010/12/01
電材市場(編)

【新たな始動器を目指して】

 「スターデルタ始動器に代わる新型デジタル始動器の開発」。
 3年前に弊社が掲げた目標が、いよいよ実現しようとしている。 日本に於ける始動器市場は、7.5kw以上の電動機には必ず始動器の設置が義務付けられている事もあり年間60万台に上る始動器が販売されている。

【始動器の現状】

 4年前、弊社でおこなった米国、EU、韓国における始動器の市場調査では、それぞれの国、地域における始動器市場ではその始動方式の特性に応じ住み分けがなされていたが、それと比較すると日本のみがスターデルタ始動方式が突出していることが分かった。
  何故、日本だけがスターデルタ始動器が主流なのか?
 国内では始動器専門メーカーは2社あり、船舶専用、非常用ポンプ専用とクローズド市場に販売されている。一般需要家には大手電機メーカーの始動方式スターデルタ始動器が上記の如く独占しており、中小メーカーの始動器は普及する余地はない。
  また、需要家のスターデルタ方式以外の始動方式の認知度は著しく低いのが現状である。これは、大手電機メーカーが始動器の役目もするインバーター戦略を掲げ省エネ=インバーターというイメージ戦略が功を奏した結果と言わざるを得ない。
  20年まえから日本ではスターデルタ時代から一気にインバーター時代に突入した。
  始動器とは産業界で使われるモーターの殆どが三相誘導電動機で、直入れの始動時に定格電流の5~10倍の電流が流れる。この問題を解決する為に一般的には安価なスターデルタ始動器が使われている。然しながら、スターデルタ始動器には初期トルクが決まっているために始動出来ない場合がある。
  また、2段階に切り替える為に機械的ショックが起こる。という大きな問題がある。これらの問題を解決する目的に多種多様な始動器が開発され、その一つが弊社が採用する半導体電圧制御のサイリスタ方式始動器である。
  今回、弊社で開発したデジタル式新型始動器ミニキューブは従来のアナログ式とは違い、今までにない細かい電圧制御が可能でスターデルタを代表とする旧式始動器の欠点を完全にカバーできる。また、インバーターと違い高調波は始動時間のみ僅かに発生するものの、バイバス切り替えにより、定常運転時には全く高調波は出ない。回転制御を必要としない負荷には充分なソフトなスタートが可能であり、ソフトストップ機能が標準装備であり、ポンプやコンベヤ類で必要な滑らかな停止も可能である。

【コンパクトデジタル低圧始動制御システム「miniCube」】

 弊社のNSC始動器の特徴としては世界最小サイズを目指し、既設始動器盤内に他のあらゆる始動器の代替装置として設置が可能である。新設始動器盤内に組み込む場合でも世界最小の始動器盤ができると考える。価格はスターデルタ始動器と同等価格を目指し、国内プラント機械等の標準始動器として三相誘導電動機負荷向け始動器の標準品を目指す。また、世界標準始動器として普及を目指し、始動器市場の価格破壊を目指せる商品と位置付けている。


デジタル式新型始動器ミニキューブ
今回発売するミニキューブCDシリーズ始動器は他の始動方式との設置面積比較では群を抜いている。 基本機能として、初期電圧は0~100%、始動時間も0~100秒を簡単なデジタル表示で設定可能であり、(ソフトストップの停止電圧、停止時間も同様に可能)で電動機負荷の発停が何回でも任意に設定可能である。
他に電動機保護機能、電流制限機能等を組み込んだMDシリーズも用意している。MDシリーズも同様に極小サイズであり、設置場所は選ばない。

ミニキューブCDシリーズ始動器基本仕様
ミニキューブCDシリーズ始動器基本仕様
図面拡大
動作パターン

<図面拡大>

始動方式別設置面積比較(200V 22kw使用)
始動器 可変
リアクトル
コンペン リアクトル スターデルタ インバーター ミニキューブ
高さ(㎜)
1750
1150
900
700
555
125
幅(㎜)
700
600
500
440
300
115
重量(kg)
1.5

 CD型始動器を開発には弊社製品であるアナログ式始動器H型というベースがあっての開発となったわけであるが、H型のサイズは200V 22kwクラスで面積225×216mmと既に他社始動器よりも小型であったが、CD型は面積で125×115mm、容積比では約10%と小型化に成功した。開発コンセプトとしては。何よりも小型化することにより、既存製品との圧倒的差別化を図りたかった事があげられる。また、デジタル化で、より精度の高い制御が可能となり客先の高度なニーズに対応できる事も他始動器との大きな差別化につながると確信できる。

 NSC始動器はバイバス方式に拘り続けている要因としては、始動器本体の役割はあくまでも、「始動時のソフトスタート機能」と「停止時のソフトストップ機能」との始動器の原点に拘り、その目的以外は必要無しとの考えから発している。結果として、始動器本体が定常運転時は全くの休止状態となり、装置本体の寿命を飛躍的に延ばすことができた。また、半導体使用時に発生する高調波の発生の懸念を、始動時を除き皆無にできた。始動器本体寿命を半永久的に延ばすことはユーザー側の始動器への信頼性が大幅に向上させる事ができる。
CD始動器特徴フロー(PDFダウンロード

【最後に】

 スターデルタ始動器は従来品として客先の信頼性は抜群である。昔から始動器と云えばスターデルタ、リアクトル始動器しか使った事がないユーザーが多く存在する。
 弊社始動器を初めて使ったユーザーは先ずスムーズな始動に驚きを隠さない。 スターデルタとは比較できない耐久性を持つNSC始動器を使うことにより、負荷側の負担が激減し、定期メンテナンスが当たり前であった負荷側のものが、劇的にトラブル数が減少し、初めてNSC始動器の優秀性が実証される。
 スターデルタを代表する旧式始動器の場合は接点部が消耗品であるため、発停回数に制限がある。また、ソフトストップ機能がない。動きが二段階で負荷への衝撃が大きい事から負荷側のメンテナンス費用が大きい。また、設置スペースが大きく必要である。NSC始動器はコンパクトで、廉価で、高機能で信頼性が高く、半永久的である。間違いなく始動器市場を塗り替えられると確信する。
  従来、NSC始動器の客層は他始動方式を採用していたが、どうしても納得のいく始動器が欲しいとの問い合わせから納入するケースが多かったが、これからは、最初から始動器盤にNSC始動器を組み込んだケースに移行すると確信する。 また、高調波問題から今後、インバーターの始動器としての使用は無くなる方向で、インバーター市場、始動器市場の隅分けが大きく進むものと思われる。
  弊社としては国内、海外戦略で圧倒的な差別化による始動器販売に全力で取り組んでいく。

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