牛久大仏様、地球深部探査船「ちきゅう」の高さは偶然、同じ120mでした。地上、海上でこれだけの高さがあれば当然、落雷の良い目標になります。
例えば、牛久大仏様ですが、落雷で発生した雷電流は外側のブロンズや内部の構造体(鉄骨)を流れるため高さ85m【一般ビルの27階に相当】にある展望階にいる方にも危険はありません。しかし、エレベータの制御装置には、影響を及ぼし、エレベータが停止してしまう事もありました。エレベータの保守に駆け付けてもらっても、やはり最低一時間かそれ以上かかります。その間、参拝客がエレベータに閉じ込められてしまうか、展望階で孤立してしまいます。そのような事故が発生しないように最大限のリスク管理をされているのが牛久大仏様です。 PDCE避雷針を取り付けて落雷事故を未然に防止しています。まだ、取り付けてから一年で、幸いにも多くの雷雨には遭遇していませんが、今までに遭遇した5回の雷雨での大きな影響はありません。参拝客を落雷から安全に保護しています。
地球深部探査船「ちきゅう」は、水深2700mの海底を深さ一万mまでボーリングします。この作業が完了するまで、「ちきゅう」は、海上の一点に留まり続けます。その間には雨の日も風のもあり。雷雨も通り過ぎます。何もない海上での海面からの高さ120mは、雷様の絶好の標的です。「ちきゅう」の中には、船舶の航行用機器のみならず、CTスキャナーを始め各種の科学実験機器がそろっています。そのような機器に雷電流が副作用を及ぼさないようにPDCE避雷針が船の最上部に取り付けられて船全体を落雷から守っています。
建物内部の機器に直接、落雷はしませんが、建物に雷電流が流れれば建物内部の機器に影響を生じます。雷を落とせば、必ず雷電流の影響がありますので最上の方法は、雷電流を流さないことです。しかし、それを通常の避雷針に求めても無理です。避雷針というのは、電気が実用化される130年も前【現在からも約130年前】、今から260年も前に発明されたもので、そこに雷を落とすことを目的とした製品です。情報ネットワーク、セキュリティのネットワークなど、大規模なネットワークと共に使用すること自体が矛盾なのです。
避雷針を規定している建築基準法は、建物の保護を目的としているだけで、建物内部の機器やネットワークの保護は目的としていない事を理解しなければなりません。
金額ベース出の実被害額は、火災保険の支払額の中で落雷による被害額が何パーセントを占めるかで都道府県単位でその金額が算定されています。
大きな流れとして、気温上昇やゲリラ雷雨の頻発、我々の日常生活がネットワーク機器など雷被害に過敏な機器に依存を高めていることで雷被害対策は重要性を増している。そして、従来の対策は落雷が発生した後でその雷電流をいかに止めるかという対策しかなかった。PDCE避雷針による対策は、落ちる前に未然に落雷を防ぐことである。落ちた後の対策では何故不十分なのか? それは、落雷は落ちてみないとその大きさが分からない。。。
保安器を付けるにもどの程度の対処をしておけば良いか?
これが落ちてみないと分からない所にある。
落雷がどのように発生するかは、NHKの科学番組「ワンダーワンダー」が高速カメラをオーストラリアに持ちこんで世界で初めて映像化に成功した「先行放電」の映像が素晴らしい。これは、雷雲の底部から地面を目がけて、沢山の線香花火のように「同時並行的」に放電の火花が降りてくる。その大半は空中で消失するが、電化の補給が継続したものは地面の付近に到達する。ここまでの課程が映像化された。この後は映像では明確に見えないが学説として認められているプロセスとしては、地上の尖った部分から空中に向かって「お迎え放電」が発生する。「避雷針」が何故、「針」なのかと言えば、針のように先端が尖ったものから放電が発生しやすい。すなわち、避雷針は「お迎え放電」を発生し易くするために先端が尖った構造をしている。ここから上昇した「お迎え放電」と雷雲からの「先行放電」が手を結ぶと、そこに大きな電荷が生じる。。。
それが「落雷」である。
先行放電は、自然現象であり、」これを防ぐことはできない。しかし、「お迎え放電」の発生を防げば放電路が形成されることなく放電は発生しない。これが、PDCE避雷針の原理である。滑らかな半球(上と下)の半球を備えたPDCE※1では、下の電極はアースに直結しているので、雷雲に誘起された正電荷を地面から受けて貯える。すると絶縁ブロックの反対側にある上電極には負電荷が貯まる。 上部電極は、雷雲の底部と同じマイナスでしかも滑らかな形状をしているのでお迎え放電を発生することは無い。
※1
:スペイン語での Pararrayos Desionizador Carge Electrostatica の頭文字
第三者認証機関である「ビューロベリタス」がPDCEの効果については有効と認め、これを認証している。地震、台風、津波など自然災害に慣れた日本人は、自然災害の一つである「落雷」も他の自然災害と同様に防ぎきれないものと信じている方が多い。そして、落雷を防ぐことについて懐疑的な見方をする。
しかし、「ビューロベリタス」による認証をもって、PDCEの有効性についての議論は結論を得た。20か所、5年間に渡る落雷地点とPDCEの設置場所を照合すると、PDCEの近辺には落雷していないことが判明する。落雷情報の位置の誤差解析しながらの結果であって、これだけの結果を無効であるというなら、是非、ビューロベリタスに挑戦していただきたい。
欧米にあっては、製造業者は悪役であり、常に正しいものを作るとは限らない。。。これを専門的な知識をもって見張るのが第三者認証機関の役割である。製品を作る上で、規格が存在しても製造された製品が規格にあっているかどうかを製造メーカの良心にまかせるのではなく「消費者」「製造メーカ」と利害関係を持たない公正な第三者としての「認証機関」が、製品について検査する社会システムができあがっている。第三者認証機関としては、公正な検査を行う事がビジネスの生命線である。この中で最大手の「ビューロベリタス」が効果について認証したということで効果についての結論は出たものと思う。
高さHのポールに取り付けてここを頂点とした場合、ポールの根元から半径5Hの円と頂点で形成される円錐形の内部が保護域に入る。この範囲は、角度法の60度の3倍近い大きさであるが、建築基準法により避雷針が必要とされる場合には、あくまで建築基準法に則した範囲を用い、PDCEを受雷部として扱い、建築基準法に従って取付けなければならない。この場合には、前述の保護範囲は単なる参照範囲であり、法律的には意味を持たない。建築基準法による避雷設備が不要な場所に、補助的に付ける場合にはPDCEの保護範囲を取付高さの5倍の円錐形内、水平距離100m以内として扱う。PDCEの重量は10Kg( PDCE-Magnum)あるので、支持管の太さとしては76.2mm程度が必要になる。取付場所での平均風速、地表面粗度区分による風圧計算をした上で必要な強度を備えた支持管を用意し、フランジをボルトで結合する。
落雷の研究が進んでも落雷を学術的、理論的に解明することはできていない。PDCEの効果も理論的な解明には不十分な点が多い。ただ、結果を統計的に判断して効果が認められているにすぎない。今後、接地数が増加するに従い、理論的な裏付けも確立していくことが必要である。
問い合わせ 関連リンク
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